下半期に入って、COO職を廃止したはなし。
Fringe81は3月決算なので、9月で半期が締まりました。
前年同時期比で売上は約1.5倍の成長となりました。BtoBでかつ、だんだん母数が大きくなるので大変ですが、少なくとも成長市場にいるので1.3倍くらいは余裕でこなしていかなければつまらんしカッコ悪いです。まずまずのキレ感だった上半期だったのではないかと。
で、下半期どうしていくんだ、というプレゼンを納会でバーンとやるわけです。一応社長ですから。当面この2年間くらいで、Fringe81をDNAレベルから変えていきたいなと思うのです。アドテクの会社、という定義はもう飽きた。プレゼンテーションの一部を抜粋しますと、
まずはこの2年で、「最も熱い市場で最も華麗に(センセーショナルに)事業開発をしていく会社」になります。現在は年に1つの新規事業創造のペースだが、2年後には年間5~10個の新規事業を創造できる会社となり、他社の新規事業創造スピードを圧倒的に抜いていきたい。また「あいつらがやりやがった!」というのは最高の褒め言葉。
とまぁですね、プレゼンしました。が、言うは易し。私も昔ベンチャーに勤めていた時は、社長プレゼンは校長先生のお話と一緒レベルで「まーた言うとる」という非常に可愛くない人でした。
ベンチャーで一番サムいのは、経営陣が燃えてる(または燃えているように見える)のに現場がしらーっとしている状況で、これは経営陣に責任があるでしょう。100人前後のミドルステージベンチャーでよく見る光景です。
ミドルステージベンチャーが、2倍3倍と成長するには、上が変わらないと変わらないし、同時に仕組みも無いと変わらない。図体が少しばかり大きくなっているので、大きな舵を切ろうとも少ししか変わらないってことはよくあります。
それでどうしようかなぁ、と色々役員陣とも話しながらやっていたのですが、こっちを決めるとあっちが立たず状態です。こういうのは迷ってもしゃあない。よりハードな、エキサイティングな意思決定をしていくしかない。
今回決めたことは、
COO職の廃止。
今まで取締役の松島が全事業を管轄してマネジメントしてきましたが、このたび松島は100%新規事業やります。なのでCOO職は廃止。普通会社のNo.2を外して、新規事業にぶっこむ、ってことはあんまりやらないと思いますが、そんくらいやらないと変わらないでしょう。松島には、「心配だろうけど、既存事業のことは一切考えちゃダメ!」と言いました。新規事業立ち上げがんばれ。
既存事業は、執行役員の佐藤と荒川がトップに立ちます。僕は人間は責任の範囲が大きければ大きいほど成長すると思っているので。佐藤荒川の両名に全面的にまかせます。上はもう僕しかいません状態ですが、どんどん悩み、失敗して、もがいて成長して、この2人がFringe81を代表するようなイケてる人になってくれることを期待します。
これ結構難しい決断だったのですが、信じて任せない限り成長無しなので。
次に、
全社のリソース配分をより新規事業へシフトする仕組みを作る。
普通、既存事業が伸びている時には、「選択と集中」が王道プレイで、新規事業も若いのにやらせてみっか、という中途半端な感じになります。選択と集中って、まるで道徳の教科書みたい。思考停止ワードなんじゃないか。また、既存事業から人をひっぺがして新規事業に当てようとすると、どうしても社内で軋轢が生まれたりします。既存事業は数字を負っていることもあり、「数字達成できんじゃないか!」という反対は常に起こりうるおはなし。こういう軋轢はカッコ悪いわ。
それなら、もう全社で新規事業に取り組むリソース配分目標を強制的に設定するしか、ないんじゃないかと。
会社の仕組み、DNAレベルでリスクテイクしていく構造を作らないと死んじゃうよ。
なので、Fringe81の事業系メンバーの総労働時間の3割は新規事業に当てる。技術系メンバーはもう7割新規事業に当てる。ということを決めました。Googleでも全体の2割は好きな事に時間使っていいんでしょう?それじゃ六本木のちっさいベンチャーはもっとやんないと。ここまでしないと、2年後に目指す姿には到達しない。加えて、新規事業撤退のガイドラインも作って、まずはこれで回してみよーぜ、ということになりました。
というわけで、Fringe81、下半期もドカーンと変わります。最近なんだか鳴りを潜めているようになっておりますが、これは一生懸命準備体操していたということです。来期は花開くでしょう。
「あいつらまたやりやがった!」という最高の褒め言葉をいただけるよう、がんばります。