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ベンチャー最強の内部統制をつくる


最近暑くて大変ですがいかがお過ごしでしょうか。
さて、今日はこのブログでもあんまり取り上げた事のない内部統制について書こうと思います。
いくらベンチャーとはいえ、成長を遂げてくるとリスク管理や規律が求められてきます。内部統制がしっかりしてくると、それはそのベンチャーがより強く永続的に成長するための糧ともなってきますよね。
一方で、ベンチャーに参画してくれる社員は、自由闊達な雰囲気を求めてやってくるのです。ガチガチの厳しい内部統制と、ベンチャーの自由闊達な、悪い意味でいうとゆるさがある変わりにスピードが重視されている文化とは相容れないところもあるのです。
内部統制は、うまくやらないとベンチャーの文化を破壊するくらいインパクトがあると思います。
よくありがちな例としては、やれ●●準備だ、ということになって、内部統制しっかりしなきゃ、となります。でも会社のスピードは変わらない、もしくは加速しているんですよね。
そうなると何が起こるかというと、「経営管理部のキツいお母さん化」が始まります。内部統制の一部の例を挙げますが、

  • 「経費精算出してください~、出さないと罰則ですよ~」
  • 「勤怠管理キチンとしてください~何で出してくれないんですか!!」
  • 「請求書周り●●さんはいつもやってくれないのでだらしない」

なんてことが日常茶飯事に起こってきます。人間おしりペンペンされると反抗したくなるじゃないですか。出さなきゃ行けないのはわかってるけど、営業や開発など、メインミッションではありませんから、後回しにしたくなる。そこでおしりペンペンされると、いらっとする。いらっとすると、もう経営管理部がお母さんみたいな感じに見えて、めんどくさくなってくる
こうなってくると、大体において経営管理部だけが、ベンチャーの文化から離れだしますね。管理する人と管理される人、みたいな感じで「浮いちゃう」んですよ。
私は、こういう普通の会社っぽくFringe81がなっていくことを何より恐れます。つまらんですよね。みんなワーッってクリエイティブで楽しいことをやってるのに、経営管理部だけ浮いちゃうの。

先日たまたま経営管理部のミーティングに出てたんですよね。内部統制のところも、やっぱり悩んでいて、「これは厳罰化の方向かなぁ」ということになりそうだったので、「それはダメ」ということでひっくり返しました。(スマン)
私の持論ですが、経営管理部であっても、クリエイティビティを発揮しなければならないと思いますし、経営管理部こそ、文化の守り手、もしくは文化の増幅機関でなければならないと思います。
『厳罰化されたルーチンワークを「回す」』、というマイナスの感情からは、文化の守り手は生まれないんじゃないかな。それよりも、『ちょっとカジュアルで、思わずぷっと笑っちゃうくらいのアイデアを改善しながら運用していく』事を考えようぜ、と私は思います。内部統制でさえも、アジャイルにやろうぜ!と思います。
Fringe81では、まずは勤怠管理から始めてみました。
おそらくみなさん勤怠管理システムあると思いますが、通常の運用だとどうでしょう?おそらく、そのチームの上司が部下に「お前ら早く出せよ~」と言って、それでも出さないと経営管理部が「ちょっと●●さんお願いしますよ!」と来るのではないでしょうか。そうするとスタッフは「めんどくさいなぁ、俺営業がんばってるからうるさいこと言うなよ」とカチンと来ます。(あくまで例です)これです。これが「お母さん化」です。これをなんとかしたい。
そこで我々は、勤怠管理そのものを、「社内コミュニケーションを活性化させる手段」であると発想の転換を行い、再定義しました。さらにそこにCRMなどに最近使われているゲーミフィケーションの要素を取り入れて、なるべくカジュアルさを追求しました。
ゲーミフィケーションについては色々定義があると思いますが、ようはゲーム的なメカニズムを取り入れて課題解決してみよう、ということだと理解しています。
私にとっての理想のゲームシステムの源流は、オンラインゲームの元祖、「ウルティマオンライン」のゲームマスターなんですね。大学生の時に極度にハマったのですが、ウルティマオンラインは何千人も同時参加するゲームです。そうなると、全体を仕切って、統制して、さらにエンターテイメント制を上げていくためにもゲームマスターというのは非常に重要な存在でした。文化の守り手とも言えるでしょう。ウルティマオンラインのゲームマスターの面白かったところは、ちゃんと登場人物として出てくるんですよね。ゲームマスター自身がゲームの中に登場して、歩くし、発言もする。文化が壊れにくいと思います。普通に問い合わせセンターとのやり取りしてください、とやったら雰囲気ぶちこわしですものね。よく出来てたなぁと思います。
おっと自分の趣味の方向に行き過ぎました。つまりベンチャー最強の経営管理部になるには、ゲームマスターになるべし、と私は思います。一番ルーチンワークが発生しやすい部署なので、ルーチンワークのスピードや管理を徹底するよりも、クリエイティブなアイデアを考える部署であってほしい。
というわけで勤怠管理をどうしたか、です。

  • 毎月1回、全社員を部署をシャッフルして4チームに分ける
  • ランダムに選んだチーム長には「大使」として任命
  • 大使は、チーム全体とコミュニケーションしながら、速く完ぺきに出せるように努力する
  • 締切までに完ぺきに出せれば、経営管理部のトップであるCFOがメシをおごる

という事にしました。この制度のミソは、部署間をシャッフルしており、さらにチーム長もまたランダムに決定していることにあります。つまり、毎月管理する人が変わります。そして部署間をシャッフルしているので、普段話さない人同士(営業とエンジニアとか)のコミュニケーションも活発にすることができます。経営管理部を「管理」業務から切り離すことでよりクリエイティビティを発揮させる、ということが可能になります。
結果としては、ものすごくうまくいっていて、勤怠管理は締切までに100%終わるようになりました。今までがウソのように。もちろん、どうやって社員に協力してもらうか、ノリノリにするかは腕の見せ所ではありますが、やってよかったなぁと思います。少なくとも、私が関わった会社で、大企業やベンチャー問わず、勤怠管理を毎月100%達成、それも楽しく出来ているのは見たことはありません。ともすれば大変になりがちな内部統制も、カジュアルにアイデアを出し、改善を続けていく、アジャイルにやる、そういった組織にしたいです。
最近では、「請求書まわり」にもこのゲーミフィケーションの仕組みを取り入れて実行しています。その他も全部やれないかなぁと思ってます。
私は何でも「ひと工夫」を求めるところがありますが、それは文化を大切にして、最強の組織を作りたいと思っているからです。社員のみなさんは若干キツいと思うこともあると思いますが、こういう思いがあるのでスマンが協力してください。
というわけで、
こんなヤバイ経営管理部および、全職種のスタッフ募集してますのでよろしくお願いします!