急成長過程のベンチャーで中途入社社員をどう受け入れるか
田中です。
Fringe81は去年の同じ時期に50人くらいであったのが、現在110人を超えてきました。毎月どんどん増えるのです。そこで今日は、こういった成長期に起こりがちな事について、普段考えている事をより考察してみようと思います。そのテーマは、
「成長軌道にあるベンチャーにおいて、中途で入ってきてくれる人にどうやって会社にフィットしてもらえるか/報いるか」です。そうなんです。みんなリスクとって、夢をかけて、Fringe81に来てくれるのですから、報いる、くらいのスタンスじゃないといかんと思います。Fringe81が全く問題なく完璧だというつもりは全くありません。まだ全然ダメだなーと。むしろ、このような考察を世に出すことによって、他の方のご意見も聞いてみたいなぁと思っています。
ベンチャーで成長軌道に乗ってきた時には、中途採用のメンバーが増えてきます。このタイミングというのが、イケイケに感じるぶん、裏を返せば組織が崩れやすい「組織崩壊危険領域」に位置しているのだと私は思います。
この「組織崩壊危険領域」というのは、非常にやっかいで、いろいろなものに覆い隠されて見えにくいということがあります。
この組織崩壊危険領域を引き起こす要素/覆い隠す要素としては、4つあるかなと思ってまして、
- 「成長は全てを癒やす?」これよく言われますがほんとかいな?と思います。いろんな問題はあるにせよ、とにかく伸びているから文化の浸透よりも先に会社の成長が優先されがち。これが4つの中でも最も危険な「組織崩壊危険領域」を覆い隠すものです。成長しているしみんなノリノリというのと、文化が浸透している事は必ずしも一致しません。これこそ経営者の怠慢や錯覚を招きやすいことだと思います。
- 「昔からいるメンバーと新しいメンバー間の情報格差」昔からいるメンバーには、「あうんの呼吸」というやつで非言語コミュニケーションでもなんとなく感じてくれたりします。共に過ごしている時間が長いので、お互いの長所も短所もわかりますよね。ところが新しく入ってくる人はそうは行動できませんし、感じることもできません。昔からいるメンバーやマネジメントチームが強力であればあるほど、「うちの会社は大丈夫」という錯覚になりがちです。
- 「新卒採用出身者と中途採用出身者の文化的格差」新卒採用のメンバーは、そもそも事業に加えて、最初のキャリアとしてその会社の「文化」にも惹かれて入ってきます。さらに、企業側にとっても、中途採用と比較するとスキルがあるわけではありませんから、この会社の文化や雰囲気にあっているか、という点を重要視しますよね。とすると、新卒採用メンバーが増えてくると、それに応じてさも文化が全体に浸透しているように見えます。錯覚ですけど。
- 「コミュニケーションの絶対量の減少」これも人数が増えれば増えるほど、当然ではありますけど、起こりがちです。
と、会社全体ではうまくいっているように見えて、薄い氷の下ではふつふつと組織崩壊要素が存在していると思うのです。
伸びている時こそ、中途採用の人がいかに会社に馴染めるようにするか、というのが組織運営上、実は隠れた重要なポイントなのではないかと思うのです。中途の人はどうしても前職のスキルを活かす即戦力として見られがちであり、ビジョンや文化の浸透がおざなりにされがちではないでしょうか。中途の人こそ、ビジョンや文化にいかに馴染んでもらうか。これを怠ると組織崩壊危険領域に突入するのかなと。
なんかですね、表面的なところで付き合いすぎなんじゃないでしょうか。会社って。もっとベタベタでも良かろうと思いません?もっと内面までお互い理解しあってもいいんじゃないか。
慣れ合いや気持ち悪くなってしまってはいけませんけど。
Fringe81では、このような組織崩壊危険領域に突入するのを防ぐために、入社初日に必ず「Fringe81の歴史上の大事件で田中弦はどう決断したか」「Fringe81の歴史を古い社員がとうとうと語る」などといった、いかに中途の人に馴染んでもらうコンテンツを近年、整備をしています。
その中でも、やってよかったし、今後の新しいマネジメントスタイルへの拡張性、という意味で可能性がありそうなのは、「ストレングスファインダー」です。
「ストレングスファインダー」とは、米国の調査会社のギャラップ社が開発した、「強みになりうる最もすぐれた潜在能力の源泉を見つけるツール」です。こんなふうに書くと、世の中にある自己分析ツールというか自己啓発的な感じに聞こえますよね。ただ、経営者は社員の才能や人間性をもっともっと深く知るべきだと思います。単なる「仕事」の結果を追い求めるのではなく。
弊社の目指す姿として、「人類の才能を開花発揮させる舞台を創る」というものがあります。これは私の(および会社のでもありますが)現在の経営テーマです。いかに多様な優秀な人材の才能を開花発揮することができるか?その人が今持っている才能をもっとより発揮できれば、より強い会社が創れるのではないかと思っているのです。
「ストレングスファインダー」によれば、才能とは、”無意識的に繰り返される思考、感情、行動のパターン”としています。才能というと、私はどちらかというと、後天的なもので、特に仕事においては、その人が属していた組織や教育によって培われるものだと思っていました。例えば私なんか社会人デビューであろうと。ところが、ストレングスファインダーでは才能とは天賦のものであり、少なくとも10代半ばで脳内回路がある程度固定化するためである、としています。
つまり我々経営者は、どうしても人をその組織の中で得られた個人の結果や評価を10代半ば以降の後天的な観点から評価やコミュニケーションしがちですが、ストレングスファインダーを活用すれば、10代半ばまでに個々人に確立された、天賦の才能を活かすミッションを設定し、才能を活かすコミュニケーションをし、才能を活かす目標設定や動機付けができるかもしれない。これは経営者やマネージャにとっては、組織をマネジメントするための新しい視点になるのではないでしょうか。少なくとも、10代半ば以降の後天的な視点からのみだけではなく、才能を開花発揮させるためのひとつの指標にはなりえるのだと思います。
私のストレングスファインダーをやった結果を公開してしまいます。
- 戦略性:”あなたはいろいろな乱雑にある中から、最終目的にあった最善の道筋を発見することができます”
- 未来志向:”「もし・・・だったら、どんなに素晴らしいだろうなぁ」と、あなたは水平線の向こうを眼を細めて見つめることを愛するタイプの人です”
- 活発性:”「いつはじめようか?」これはあなたの人生で繰り返される質問です。あなたは動き出したくてうずうずしています”あなたは行動を起こさずにはいられません”
- 最上志向:”平均以下の何かを平均より少し引き上げるには大変な努力を要しますが、あなたはそこにまったく意味を見出しません”
- 着想:”あなたはだれでも知っている世の中の事柄を取り上げ、それをひっくり返すことに非常に喜びを感じます”
私っぽくありませんか?私は、未来を夢想しながらも、緻密にやりたく、即実行したく、さらに最高のもの・常識を超えるものを追い求めます。ビジョナリーっぽい感じで出てきていますが、最初に出てくるのは戦略性。天然に見えて意外に緻密に考えてやるのが好きなんですね。これは確かにそうかも。とすると、私とのコミュニケーションはデータや情報を元にして作りこんで、数年後の未来に落とす。こうやるとスムーズでしょう。こんな感じで一人ひとりの持って生まれた天賦の才能を元に、コミュニケーションやチームビルディングの参考にしていっています。
そうすれば、きっと、家族や友人と過ごす時間よりずっと多くの時間を費やす、会社というものが、もっとより「才能を開花発揮できる舞台」になっていくんじゃないかなと。仲間、チームというのは表層的な関係ではなく、より強く結びつくことができるのではないかと私は思っているので、こういった組織を作るチャレンジをしてみたいです。中途の人も、新卒の人も、もっとより愛そうと。
マネジメントというのは、ありとあらゆる過去の失敗成功事例をもとに、常に革新していくもの。これからもいろんなものを試していきたいなと思ってます。
全く新しい事業、組織、文化を創っていきたい方も絶賛募集しておりますのでぜひご応募ください。
今度12月1日に「ワークルールズ」のイベントに参加します。ここでも上記のような新しい働き方についてお話してこようと思います。こちらでお会い出来る方、ぜひお声がけください。待ってます。