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英語苦手なのに海外ピッチコンテストでファイナルに行ってしまった話


ただいまドバイから帰宅しました。気持ちがアツいうちに書いてしまおうと思います。
田中は昨日までどこに行っていたかというと、GITEXという中東アフリカ圏最大のITイベントに行っていました。目的は、そこで開催される「SUPERNOVA Challenge」というピッチコンテストへの参加と、Uniposは海外市場で受け入れられるか、市場調査目的のブース出展です。
さて海外でのピッチコンテスト参加、というとおお、田中は英語結構いけるのだな、と思われるかもしれません。実は私の英語の勉強は高校生で止まっています。正直苦手意識があります。日常会話も怪しい感じです。ですが、せっかくの機会でもあり、Uniposは海外展開がいかにできるかが来期、来来期の成長の要のひとつだと考えていますので、まだUniposができたてホヤホヤサービスのうちに、行ってしまおう!と参加してしまったのでした。
結果としては、500社応募→75社準決勝→24社決勝、で決勝までいけました。
英語が苦手でもなんとかなるし、びびる必要は無いんだなぁと心底思いましたので、備忘録がてら、今後海外ピッチコンテストを目指される方に少しでも参考になれば幸いです。なお、ビジネス英語が話せる方向けには全く無意味なコンテンツですし、ツッコミご容赦ください。

1.海外ピッチプレゼンは記憶すれば良い!というのは無理筋である

私は最初はですね、3分プレゼンくらいなら記憶すれば英語ダメでもなんとかなる!と思っていました。ところが、今回コンテストとは関係ない「Japan session」というコーナーを事前にジェトロさんがご用意くださっていたので、プレゼンしたところ、緊張で頭から記憶が飛びました。もうアタフタアタフタ。恥ずかしいし、これはイカン!ということで急いでスマホのカンペを取り出して補足しましたが、かなりかっこ悪いプレゼンになってしまいました。緊急回避プランがないと記憶だよりはキツイなぁと。

2.海外ピッチコンテストのレギュレーションはコロコロ変わるので事前準備が無意味になる

なぜ記憶しちゃえばOK、が難しいかというと、レギュレーションが前日当日でどんどん変わります。例えば今回でいえば、準決勝は、「3分プレゼンでQ&A無し」→「7分プレゼン+QA3分(前前日)」→「Q&A入れて全部で7分(前日)」というように変わりました。ついでに決勝も「7分プレゼン+3分Q&A(前日)」→「5分プレゼン+3分Q&A(当日)」と変わっていきました。数分違うだけでしゃべる内容の量はずいぶん変わりますよね。これはネイティブスピーカー以外は胃が痛くなるくらい辛いのと、プレシャーかかりまくりです。

3.TED風だとビジネス英語レベルの人以外はつらい

TEDプレゼン、みなさんも見て感動されたことあると思います。私もそうです。TEDでは基本スピーチなので、あまり多くのスライドを使いません。また、ドバイでも多くのネイティブの人はプレゼン資料の枚数は少なかったです。私が最初記憶していたのもTEDプレゼンかっこいいなぁと思って、プレゼン枚数を少なくしていきました。ところがです。上記のようにバンバンレギュレーションが変わるので、私のように英語が苦手な人にはちょっと厳しい(記憶が飛ぶと結果が出ない)と思いました。一発勝負だったら記憶でも大丈夫だとは思うのですがピッチコンテストの場合厳しいです。

4.海外ピッチコンテストでは最初に「問いかけ」よりも「つかみ」

現地で我々のサポートをしてくれたポールさんからしつこく言われたのは、「無名の君たちがやるべきことは最初に「問い」を発することではなく「つかみ」を発することである、と言われました。当初、私のプレゼンは
What is an ever-growing company?  What makes a company survive, or even to thrive?  
という、「ふわっとした問いかけ」からはじめて論旨展開をしていくプレゼンでした。確かにこれは聴衆はつかめないですね。私が有名な起業家であったならともかく、私もUniposも無名ですから。
よって、ポールさんからのアドバイスで最初の「つかみ」はこうなりました。
I joined Softbank in 1999. I experienced dot-com bubble, Lehman shock….  I know a lot of companies had hard things.Many companies come and go in the internet era.
ようはソフトバンクに1999年に入社して、そのころからネットビジネスやっていて、さらに最近上場している人は「中東には」あまりいないので、そういう人物が話すんだぞ、とアピールせよと。あとは、プレゼンの表紙も、
How to Create an Over performing Company だと何だかわからないし伝わらないので、
#1 Japanese Team-Bonding Solutionと書きなさい、というアドバイスでした。ナンバーワンは君たちがそう思ってたらOK、ピアボーナス分野だったらそうなんだろう?自信もって!と。

私は普段会社の中でかっこよさげな英語を使ったりするのを極度に嫌いますが、それは英語は意味が通じれば良いのですが、一般的でなかったり複数の意味に取れることが多いのです。それを「伝わらないのは悪、伝える努力をしないのも悪」と社内では言ってますが、ポールさんのアドバイスは身にしみました。普段の私の考え方である「伝えることにこだわる」ことをちとサボっていたなと思いました。

5.セリフをパワーポイントにドーンと書くのはどうなのか?

↓のようなプレゼン資料ですね。超かっこ悪いのですが、記憶が飛んであたふたするよりいいんじゃないかなぁと思います。ただしセオリーでも多数派でもありません。他のベンチャーのプレゼンはこのスタイルは一切ありませんでした。
また、セリフをパワーポイントにドーンと書くスタイルは、実は私は日本では多用しているので、「こんなにルールが変わるなら、こうなったらいつもの私のスタイルに戻るのがいいや!」と思ったというのもあります。

6.パワポの「ノート機能」が私にっての救いの神となった

つらつらと書いてきましたが、ようは、記憶はあてにならず、レギュレーションもあてにならず、英語力もあてにならず、とあてにならないことだらけなので、極めて胃が痛いわけです。そこで苦肉の策中の苦肉の策なのですが、ふとパワポには「ノート機能」があるじゃないかと。これをカスタマイズしました。
通常「発表者ツールを使用」モードにすると、レイアウトはこうなってます。

これをですね、こういう感じで・・・自称「カンニングモード」にレイアウト変更します。

そうです。困ったらこれを読めば良いのです。我ながらひどいw 英文法とか細かいところはちょっと無視してくださいね。
下は私が発表している写真で、パソコンが手元にあるのは、実はこのカンニングモードにしたパワーポイントを見られるようにしているだけです。何も繋がっていません!さも見てないフリを一生懸命しています。ファイルは事前に事務局に送らなければならないので。

よって、パワーポイントの送りボタンと、リモコンの送りボタンを「同時押し」しています。自分で同期をとるというなんというアナログなんでしょう。ちなみに決勝で同時に押し忘れてあたふたしましたが 笑
7.最後は「感情」と「ユニークネス」
このようになかなかボロボロな感じだったのですが、なぜファイナルまで行けたのか。それはまずは伝えたい、という「感情」だと思うのです。事前に色々みた海外ピッチコンテストの動画や、現地では、結構みんなクールな感じでプレゼンします。一方、私は普段は特に社員の前では「感情たっぷりに」「半分泣いてもいいくらいの勢いで」プレゼンします。私は最初海外でセオリーどおりのクールなプレゼンをやろうとしたのですが、それは自分をつくることにほかならず、最後はいつもどおりの感情たっぷりにやりました。そうすると、「こいつは英語はヘタクソだけど伝えようと必死なんだな」って伝わります。
また、Uniposというプロダクトのユニークネスが私をここまで連れて行ってくれたのだと思います。本番前は心臓ドキドキ、胃が痛いなぁと思っていましたが、頭に浮かんでいたのはこのUniposというプロダクトを作ってくれたFringeのメンバーの顔でした。元々はFringeの社内制度であったところから始まり、日本初の公開型ピアボーナスというユニークネスを追求できてきたのはチームメンバーのおかげです。私はそれに乗っかって、代表して伝える役を担っただけです。海外でもおおいにUniposは「面白い!」と受けたので、これは世界に通用するプロダクトだぞ!という自信になりました。ユニークなものは、世界中の人が興味持ってくれます。英語力ではないです。逆に私に英語力さえあれば、もしかしたら優勝できていたかもしれません。大変悔しいです。
8.JETROさんのサポート最高
今回の出場は、経済産業省が世界で戦い、勝てるスタートアップ企業を生み出し、革新的な技術やビジネスモデルで世界に新しい価値を提供することを目的としたプログラム「J-Startup」の支援によって実現しました。こういった機会がなければ海外で出展やプレゼンしよう、という気にならなかったので機会をいただいた経産省の皆様ありがとうございます。
また、現地でサポートしてくださったJETROさんのサポートが本当最高でした。刻々と変わるレギュレーションに問い合わせいただいたり、英語苦手でも大丈夫ですよ!と元気づけてくださったり。中東での日本に対する良い印象も、あらためて日本はこれは偉大な貿易立国であり、先人の方々の礎のもとに我々のようなベンチャーがこういう機会をいただけているんだなぁと思いました。これからもよろしくおねがいします。
さて、初挑戦となった海外出展&ピッチコンテスト出場ですが、私としては悔しいながらも満足かなぁ、、、と。70点くらいでしょうか。まだ海外でサポートバッチリできるほど完成している事業ではないのでその整備と、どの国と地域から進出するか、作戦を練らなければなりません。今期はリサーチ期間です。今期中にもう一回、大規模な海外ピッチコンテストに挑戦しようと思っています。その時までに、がぜん英語を勉強する気になった私の進化を見てください。今回は若干恥をかいてしまいましたが。
我々の挑戦はまだまだはじまったばかりです。これからもがんばりますので応援よろしくおねがいします。
 


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