社長の時間の使い方について(おもしろい会社でいつづけることについて)
私は最近悩んでおります。
社長の時間の使い方ってなんだろう、と思うのです。最近はFringe81の事業運営は、ほぼ全て役員にまかせています。昨期から完全おまかせモードに突入したところ、すごい売り上げも伸びてきたので、やはり良かったのだと思います。これで事業について私がたくさん時間を使うことは無くなりました。
最近、このブログもアドテクの事全然書いてないじゃないですか。それはですね、
「アドテクの伝道師としての田中弦は死んだ」
と思ってるからです。もちろん、キャッチアップの時間は取っていますが、それよりも経営者としての時間の使い方を考えているし、悩んでもいるからなのです。アドテク好きですよ。とっても。
また、事業計画についても、以前は私が全て出来ていたのですが、最近では監査法人さんの指導もあり、会計周りの知識が、プロレベルに必要になってきたのと、その知識が無いまま、事業計画作るのもちょっとしんどくなってきているのです。加えて、資金調達周りも、数年前だったら大体わかったのでできていたのですが、優先株を利用したスキームなどをやっていると、これまた全て私がやるってのはもう難しくなってきてます。
事業計画(会計周り含む)と資金調達に関しては、コンサル時代に勉強した付け焼き刃的な知識が、もはや最新のものには通用しなくなってきたなぁ、という実感があります。そしてこれらは、CFOにまかせる、ということも時間の問題です。(もちろん勉強はしますし、磯崎さんの起業のファイナンスの続編も買いましたがw)
この3日間くらい、もんもんと悩んでいたわけですね。社長の時間の使い方って何だ、ってのと、私のこの会社でのバリューとはなんだろうなぁと。現場やりまくるスタイルの社長もいますし、そうではなくマネジメントのみやる社長もいます。難しいもんです。
こないだ、当社の役員会があったのですが、
『ゆづるさんは(私は会社では社長と呼ばれてないのです)ふわふわしているところが良いところなんだから、もっと現場やらずふわふわしてとんでもないチャンスとか掴んできたり最先端のこと調べて「すげーこれみてみて!」みたいな刺激を与える、つまり「もっとふわふわしてたほうがいい」んじゃないか』
みたいな話があったんですよね。そうかふわふわかー、とw
最近思っているのは、10年後のFringe81はアドテクの会社でもなく、「テクノロジーオリエンテッドな事業開発会社」に持って行きたいのです。テクノロジーが無い事業はあんまりやる気がありません。テクノロジーこそ、人の生活を変えていく原動力だと思っているからです。いきなりBtoCの事業をやろう、ってことではないんですけどね。どんどん面白いテクノロジーオリエンテッドな事業を生み出して、永続的にイノベーションを起こす会社にしていきたいなと。
とすると、私の社長スタイルとしては、やはり私はこの会社を、クリエイティビティあふれる、おもしろい会社であり続けさせることに自分の時間を全部使うべきなんじゃないかなーって思っています。
色々、準備とかしていると、あれなんかルールばかり増えてきちゃっているぞと思いますし、
成長しまくるぞ、と数字だけを追いかけていると、面白いことを面白いと思う、知的好奇心もなんだか少なくなってきてしまう。これを社内で両立させるのが私の仕事なんではないか。
なので、私は
もっと「ふわふわ」して、知的好奇心を高めまくり、「これ面白くない?」っていう事を社内および世の中に対して刺激しまくる社長になろう、そしてFringe81をもっとおもろい会社にしよう。
と思いだしました。そんなスタイルの社長が今まで存在していたのかは、わかりませんが。「新しい発見を提供し、物事の見方を変える」これがFringe81のビジョンなので、自らそれのみを体現していく社長がいてもいいんではないか。
自分の最も得意な分野は、ビジネス開発と圧倒的な知識量と、知的好奇心がすごい強いところでした。その強いところを、企業文化まで高めていっちゃうのがこれからの仕事なのかもしれません。
高杉晋作は
おもしろき こともなき世を おもしろく すみなしものは 心なりけり
と言っております。色々解釈があると思いますが、おもろい文化体現者になりたいな。
そんなことを最近考えています。