「なぜ日本にgoogleやAmazonがないか」について
先日札幌で行われたIVSで、ベンチャーキャピタリストのパネリストのみなさんが、「なぜ日本にgoogleやAmazonのようなメガベンチャーが産まれないのか」についてディスカッションされたそうです。詳細はGMOベンチャーパートナーズの村松さんのブログに詳しいです。
この記事はそうだな~、と思います。この記事に触発されて、久しぶりにアドテクノロジー関連では無い記事を書こうと思います。ファイナンス環境については、確かに初期にドーンとした投資が無いことや、市場規模の違いというのは事実です。ただそれだけなのでしょうか?googleやアマゾンはBtoCですが、じゃあなぜオラクルやサン・マイクロシステムズのようなBtoBも産まれないのでしょう?
僕は他にも要因はあるのではないかと考えています。それは資本や市場規模といったファイナンス的なお話しではありません。
「大企業のお金やリソースがベンチャーに流れこむ量がそもそも違うのではないか?」という仮説を僕は持っています。
私は普段からテクノロジー系のベンチャーをウォッチしています。そんなベンチャーのホームページには、クライアントリストが大抵あります。そのクライアントリストの豪勢なことといったら無いです。
特に目立つのが、「バンク・オブ・アメリカ」。米国最大級の銀行です。ネスレ、ベライゾン、フォード等、食品、通信、自動車などの世界的なブランドもよく目につきます。
バンク・オブ・アメリカは日本だと東京三菱UFJ銀行くらいのステータスなんでしょうか。アメリカ人でないのでよくわかりませんが。おそらくベンチャー向けの予算でも持っているのではないでしょうか。日本でこんなことありえますか?ホームページ制作等ではありますが、小さなBtoB系ベンチャーでこのような事が起こっているのでしょうか?細かい事例はあるでしょう。でも全体的に見るとすごく少ないんじゃないかなと思います。
バンク・オブ・アメリカに話を戻すと、アドテクノロジー企業のEvidonなんかは、デモ画面で使われるくらいがっつりです。「出たがりバンカメ」といえるくらい出ています。
企業向けのTwitterライクソリューションのYammer。ここのクライアントリストも豪勢です。
企業向けのソーシャルメディア分析ソリューションのGigya。ここのクライアントリストは相当ハードル高そうなメディアやメーカーがいます。
アメリカはいいよね~って話ではありません。米国でもこのうちどのくらいが実際にお金が発生しているのか?と考えると疑問でもあります。
ただし、もっと、ベンチャーは大企業と取引しないといかんと思っております。特にBtoBビジネスでは。大企業も、確かにベンチャーのソリューションを使うというのは抵抗あるでしょう。でもベンチャーはクライアントリストを手に入れるためなら、死にものぐるいでやるものです。あなたの為にすごく働きますよそりゃ。その少しの抵抗とリスクをウェルカム、という文化に変えていかないといけないんじゃないでしょうか。
支援してください一点張りのおねだり坊やではいかんのはわかっています。
ただ新興産業を育てていくことは、経済にとっても非常に意義のあることだと思うのです。米国のベンチャーのクライアントリストを見ていると、産業全体で新しいものに対するウェルカム文化があるんじゃないかなと。ベンチャー村だけでお金まわしていると、結局どーんと育たないのじゃないか。世界的に見ても自信を持てる事業をやっているのであれば、大企業に果敢に提案していこうぜ、そう思います。
そんなふうに考えました。
追記: