ビュースルーコンバージョンの実例レポート(米国)
そろそろ第三者配信エンジンの記事が世に出ますので、今週は第三者配信まわりを書こうと思います。
第三者配信エンジンの中でも、最も使い勝手の良い機能は、「ビュースルーコンバージョン」が計測できるものです。
ビュースルーコンバージョンとは、
あるユーザーが、広告をインプレッション(見た)して影響を受けたものの、その時は特に行動せず(クリックや購買・資料請求などせず)、後ほど思 い出して検索エンジンやブックマーク、直接URLを入力するなどの、間接的な経由で広告主サイトへ訪問し、最終的にはコンバージョンした数
です。コンバージョンポイントは、広告主によって異なりますので注意です。実際の購買や、特定ページアクセス、実際の購買ではなく資料請求、もしくはブランドであればブランドキーワードの検索数の増加など。実際に広告に触れた(見た)ユーザーから計測できるのが第三者配信エンジンのウリです。この機能を利用しないと、刈り取りが得意な検索エンジンが全てエライ、ということになります。
さて、このビュースルーコンバージョンのデータ、中々世の中に出ていないのですが、アトリビューションソフトウェアを作っているvisualIQが素晴らしいレポートを公開していました。
早口言葉みたいなタイトルですが、一部画像を引用します。これは金融サービスクライアントの事例だそうです。彼らのクライアントリストを見るとアメリカン・エクスプレスが入っているのでそれなんでしょうか。
一般的な金融系クライアントの特徴は以下の通り。(田中が個人的に思うところ)
- 1回目の流入でコンバージョンしてくれることはほとんどありません。
- 1週間等の短い掲載期間中にいきなりコンバージョンすることもまたほとんどありません。
- カードやFXの場合、ほぼ他のライバル会社との条件比較があるので検討期間は比較的長い。(BtoB商材ほどではないが)
- リターゲティングが有効
- ライフタイムバリューは高め(後から回収するモデル)
以上の特徴から、ラストクリックだけの評価では、CPAの安い獲得手段は、「検索エンジン」ということになります。
ところが、ビュースルーコンバージョン等、コンバージョンパスを明らかにすると実は最初の接触(バナー)や、説得材料(タイアップ)等が決定の後押しをしている可能性が高くなります。したがって、他のクライアントよりも「ビュースルーコンバージョン」が出やすい傾向にはある、ということを頭に入れてこのレポートを読むと良いと思います。
これを見るとディスプレイ広告の方が、クリックからのコンバージョンレートがサーチを上回ってます。これに違和感を感じる方も多いと思いますが、後から出てくる図を見ると、ディスプレイのコンバージョン数には、「ビュースルーコンバージョン」も含まれているようです。
(この金融クライアントの場合)ディスプレイ広告は、ビュースルーした後のコンバージョンがほとんどで、実際にクリックしてくれてコンバージョンする人は少ないことがわかります。逆にサーチはクリックスルーコンバージョンが100%になっています。
他にも面白いチャートがありますので、ぜひご覧ください。
私見ですが、この金融系クライアントではクリック数だけを見てもコンバージョン改善をすることはまずできなさそうですね。あとはディスプレイ広告のCVRがそれほど高いのであれば、クリック保証系のメニューを多めに組み合わせるのが良いかもしれないですね。