日本企業の「空気」を変えるには
このたび、Unipos社では1月26日に、
「Unipos Summit 2023 ~日本企業・組織の空気を変えろ~」
を開催することになりました。入山先生や伊藤羊一さんのアツいトークも含め、先頭を走っていらっしゃる方々の知見をシェアいただきます。
さて、今回のイベントのタイトルにも入っている「空気」について少し考えていきたいと思います。
組織の空気、ありますよね。空気も良し悪しです。組織に良い空気がある場合には、全員の前提が揃っているのでスピード感あふれる行動ができます。組織に悪い空気があると、同調圧力に代表されるように、合理的に考えると、「あれ、おかしいな、、、」という事も素直に言えなくなってしまい、前例主義に陥ってしまいます。
1977年に書かれた名著、山本七平さんの「空気の研究」を改めて今回読み直してみました。「空気の研究」は日本人の意思決定に大きな影響を与える空気について研究した本です。まず感じたことは、先月出した拙著の「心理的安全性本」と「空気の研究」で言われている概念をうまく組み合わせて書けばよかったなと反省しました。心理的安全性が担保されない要因として無知無能と思われたくない、といった対人リスク等もありますが、日本の組織の場合、そもそも「空気」も大きく影響していそうです。
山本七平さんによれば、空気とは「ある種の前提」としています。組織の空気を読む、空気をつくる、空気に支配される・・・
空気に支配されていると、なんとなく全体の雰囲気で物事が決まっていきます。
特に意見を安心して言うことができないような、心理的安全性の低いチームの場合、そのチームには、「強烈な前提=空気感」が強くなりがちなのではないでしょうか。
こういったチームでは、そもそも前例を疑うことや、新鮮な意見を述べたり、失敗のリスクがあるような挑戦行動は生まれません。なぜなら、そういった行動を行うことが組織の強烈な前提、つまり「空気をぶち壊す」事につながってしまうからです。空気をぶち壊すと、「あいつは空気読まないヤツ」とレッテルをはられそうです。多くの会社でこういった現象を目撃したことがあります。
私が多くのお客様と接する中でも、みなさん「社員に失敗を恐れず挑戦してほしい」とおっしゃいます。これを実現するには「空気」を打破する必要があるのではないでしょうか。空気の研究については、入門本が出ています。原著は結構難しいのでこちらの本をおすすめしておきます。さらに、アバタローさんがとてもわかりやすい動画をアップされているので紹介しておきますね。
組織の空気を変えるには、以下の条件が必要ではないでしょうか。
- 常に別の可能性があるかも?と相対化する
- チーム(組織)外から新しい光を入れる
- 前提を断ち切る思考の自由を手に入れる
- (組織としてここは譲れない、という)原点に帰る
山本氏は、空気を変える要素のひとつとして、以上のような4つの条件を提示しています。(多少わかりやすくするため私が書き換えています)
私は、組織の空気、前提を断ち切り、挑戦する行動を増やすには、
心理的安全性を高めることで安全で自由に発言する機会を増やし、自分たちの組織やチーム(チーム外も含む)での、前提をぶち破る率先行動を知ること
が非常に重要ではないか、と考えます。Uniposのプロダクトには、そういった精神が入魂されています。組織の中では、多くの挑戦行動が埋もれています。それを全公開型のピアボーナスという手法を用いて、チーム外からの新しい光、見方を知れるようにしたいのです。
組織の空気を変えるには、以下の3つが必要です。3番目については、次回以降の記事で述べていきます。
- 心理的安全性を高める
- チーム内外の空気を変える行動を知る
- ステークホルダーの利益を実現するストーリーと接続した、空気を変えるKPI(人的資本の独自KPI)を設定する
少し話がそれてしまいましたが、本イベントでは、日本企業の空気を変えるようなたくさんのヒントがつまっていると思います。無料ですので、ぜひご視聴ください。
過去コンテンツへのリンクです。
人的資本を考えるシリーズその1:人的資本経営を多面的に考えてみる
人的資本を考えるシリーズその2:人的資本の開示は誰にとって重要か
人的資本を考えるシリーズその3:具体的な開示項目を先駆者に学ぶ。企業文化は開示項目となるか?
人的資本を考えるシリーズその4:心理的安全性と人的資本経営の関係について
「心理的安全性」は日本企業こそ必要?-若手は超マイノリティ-
金融庁の「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案について人的資本の側面から見てみました
Unipos社では、「心理的安全性を高め、挑戦できる風土をつくる」サービス「Unipos」を提供しております。ぜひお問い合わせください。