褒める社員は活躍する社員?オープンロジさんの分析をきっかけにとても面白い示唆が生まれた話
先日、オープンロジの五十嵐さん(オープンロジの創業CTOであり、現在は技術フェロー)から、「うちのエンジニアがUniposのデータで超面白い分析をしたので紹介させて!」ということで、お話をうかがいました。とても面白かったので社長ブログで書かせてもらいます。オープンロジさんは、Uniposを活発にご利用くださっています。ありがとうございます。
この分析は、オープンロジさんの社内イベントの「Beerbash」内のライトニングトークで発表されたものを記事化したものです。
(素敵なイベントの詳細はこちらをごらんください)
こういう分析をしていただけるとサービス提供者冥利につきますね。
とってもうれしいです。Uniposは人間関係のデータの宝庫なので、分析して掘っていくと色々わかりますね!どんどんハックいただきたいです。
データ分析でUniposポイントを増やす
木曜日の10時か14時に投稿するとポイントがもらえる可能性が高まる、など我々も知らなかったtipsがたくさんあります。その中でも大変面白い示唆があったのがこの分析です。
–引用–
- いろいろな人にメッセージを送ろう
“相手へメッセージ経由で贈ったポイントと同じ相手からもらったポイントの量にはある程度の相関(相関係数 0.6)があります。誰かにメッセージを送ると、お返しのような形でメッセージを返してくれることが多く、私もメッセージの贈り合いを経験したことがあります。また、一度関わることで相手が自分の活躍に興味を持ってくれるようになり、メッセージ(や拍手)を贈る敷居が下がるのではないかと予想しています。”
–引用終わり–
■「他の人の行動を発見した人を増やす」仕組み
この分析、実はUnipos社でも最近、似たような分析をしていました。なんというタイミングでシンクロしていたのか、、、つながった感。
Uniposをご利用でない方もいらっしゃると思うのでUniposのポイントシステムのミソを簡単に書きますね。
Uniposではプロダクトの設計上、「他の人の行動を発見した人を増やす」仕組みが入っています。
以下の図は、先日私が、とある社員に送ったUniposです。社員の顔の下にある「+39pt」は私が一週間に送れるポイントの400ポイントのうち、39ポイントを送ったことを示しています。一方、右下に拍手のボタンがあり、その横に152とあります。これは様々な部署の社員がいいね!と思ったら押せるボタンですが、これもポイントとして加算されます。
つまり私は「39ポイントを社員に送ったら、152ポイント拍手で加算され、差し引き113ポイント儲かった」ということになります。ここが、Uniposのユニークなポイントです。
Unipos社がやりたいのは、組織の風土、空気を変えることです。
私は、組織の風土、空気を変える方法は突き詰めると以下の2つだと思っています。
- 社員の挑戦行動を共有し増やすこと
- 助け合いの数が増えること
組織の空気を変えるには、これら2つのKPIを改善する仕組みが必要です。お互いの挑戦行動を知らなければ、「私もやってみよう」とはなりませんよね。
そのためには活躍する社員の行動を発見してくれる、コンテンツの書き手が重要なのです。
コンテンツの書き手にインセンティブが無いと、良い行動の発見の数は自然と減っていってしまいます。それを防ぐためにUniposではコンテンツの書き手にもポイントを付与することにより、発見の数を増加させようとしています。そのために、拍手で得られるポイントが2方向なのです。
なかなか、自然に社員が挑戦したり、助け合うように自主的に動いたりする事は難しい。とするならば仕組みで解決できないか、と思っています。
■Unipos社が持つ数万人の利用データを分析した結果は・・・
結果としては『全ユーザーの「投稿数合計」と「もらったポイントの合計値」には正の相関(R=0.66)がある』でした。これを言い換えると、「感謝・称賛を発見して組織にシェアをする人は、自らもより多く称賛をもらえる人でもある」ということではないでしょうか。
■Uniposを多く渡す人は働きがい指標が上がる?
もう一つ別の研究成果を紹介させてください。九州大学の池田先生の研究成果です。
「感謝カード」というものを使った調査があります。(Uniposを使ったものではありません)
この調査結果で、主に感謝カードを多く渡した人が、仕事への意欲、チームの一体感、連携の向上、コミュニケーションの向上などの効果を実感していることがわかりました。
もう一度、オープンロジさんの分析を見てみましょう。
こちらはメッセージを送ったことがある人の人数と、月間獲得ポイント数が相関している、というものでした。これに池田先生の研究成果を組み合わせると、「メッセージを送ったことのある人の人数が多いほど、月間獲得ポイント数が増加し、さらに仕事への意欲、チームの一体感、連携の向上、コミュニケーションの向上が実感しやすいのではないか」という仮説が生まれます。(特に図の黄色い部分に当てはまる方は、その実感を感じていただけているかもしれません)
また、オープンロジさんはUniposの平均的な利用ユーザー様よりも、メッセージを多くの人に送っている方が多いです。月に20名以上の方に送っている人数の数がとても多いのです。それだけ組織がオープンで、称賛にあふれているのでしょう。カルチャーの健全性も高いんだろうなと推察されます。
■称賛を共有すると、活躍する社員が増える
もう少し、Unipos全ユーザーでの分析を深ぼってみましょう。今度は、横軸を、「投稿を送った数」、縦軸を、「投稿をもらった数」で描画してみます。
すると、、結果として相関係数は0.78と、かなり相関が強いことがわかりました。(オープンロジさんの記事を読まなければここまで分析やらなかったと思うので大変感謝してます)また、非常に力強い結果が出たので、こちらもうれしいです。
つまり、「称賛を送る人ほど、称賛をもらう」ということです。
言い換えれば、「他の人の称賛行動を共有する人は、働きがい指標(↑の池田先生の研究)を実感しやすいうえ、自らも称賛行動をしやすくなる」と言えるでしょう。
しかも、投稿を送る数は企業側でコントロールできます。
称賛行動をたくさん共有すればするほど、活躍する社員が増やすことができるのです。
組織の空気、風土を変えるには「称賛を共有する」ことで成果が出ます。
※余談ですが、最初にメッセージくれた五十嵐さんはネット産業黎明期にネットエイジで同僚でした。そんな繋がりでまたお仕事できて、うれしいです。
過去コンテンツへのリンクです。
人的資本を考えるシリーズその1:人的資本経営を多面的に考えてみる
人的資本を考えるシリーズその2:人的資本の開示は誰にとって重要か
人的資本を考えるシリーズその3:具体的な開示項目を先駆者に学ぶ。企業文化は開示項目となるか?
人的資本を考えるシリーズその4:心理的安全性と人的資本経営の関係について
「心理的安全性」は日本企業こそ必要?-若手は超マイノリティ-
金融庁の「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案について人的資本の側面から見てみました
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