カオスマップにかみつく。
ブログ久しぶりに更新します。
ちょっとブログ書けないくらい忙しかったのです。
AOLの人がLUMA Partnersのみんな大好きなカオスマップについて、結構激しい意見を述べているよ。(彼はブランド広告主向けのアドユニットを扱っているからこう言うのかな)
It can sometimes seem that the Web is only DSPs, SSPs and DMPs. The truth of the matter is much of the machinery of the programmatic buying landscape, captured in the Luma Partners slide, is dedicated to non-guaranteed inventory used for direct response advertising. Where’s the Luma slide for guaranteed ad space for brands?
なるほど、彼の意見では『Lumaのカオスマップには「機械的な購買」をするDSPやSSPやDMPしか載っていないので、ダイレクトレスポンス系の広告主用だよね、ブランド広告主向けの「guaranteed」(品質や価格、期間のguaranteedかな?)の広告が載ってないじゃない?』てなことを意見しているのだ、と英語が苦手な僕は思った。
下の方でもこういう意見を言っている。
The famous Luma slide is for non-reserve inventory. There are hundreds of companies vying for pieces of that chain of non-reserve space. There’s no corollary map for the reserve space and for brand advertising. It’s not where innovation is happening. The ecosystem around that entire landscape has yet to form.
要約。『Lumaのカオスマップは非保証枠のためのもので、ブランド広告主のためのものが載ってないよ。全体表してないよ』と英語の苦手な僕はまた思った。
なるほどなぁ。こういう意見もあるんですね。
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で、ここからは私の意見。
この記事はいい問題提起をしていると思う。「guaranteed inventory」って、日本では「純広告」のことを指してるんだろう。ここのテクノロジーの進化やプレイヤーはカオスマップに載っていない。また、その尖兵であった第三者配信エンジン事業者はメディアに買収されてしまって動きが見えにくいしベンチャーもそれほどいないからね。LUMAも書きにくいでしょう。商売にならないしw
LUMAのカオスマップは、彼らの本業のM&Aをやりやすくするためのマップであって、広告主やメディアのためのためのものではないから、載ってないというのを責めてもしょうがないのではないかな。
ところが、、ギャランティーかノンギャランティーか、という区別があるのでそれぞれの市場は別の形で市場進化するのかというと、どうもそうではない動きが出ている。
Googleもいわゆるguaranteed inventoryの準備をしている。Google Reserveの件。結構話題になってましたよね。
また、最近のPubmaticのレポートを見ていると、guaranteed inventoryもかなりRTBで購買できる対象になる勢いなのではないか。媒体社が立ち上げるプライベートエクスチェンジの動きも、それを表している。
カオスマップに載っているプレイヤーは、VCからの潤沢な投資を受けて、non-guaranteed InventoryをオーディエンスターゲティングやRTBといった価値の引き上げを行うことに今のところ成功している。
今までは余った在庫はブロードリーチでなんとかするしかなかった状況から比べるとすごい革命だ。そして米国の資本主義市場のすさまじさを感じる。潤沢な資金を得たベンチャーが死に物狂いで総力戦をやる。日本はベンチャー総力戦にはなってないですね。
成長してエグジットするには、当然guaranteed inventoryまで進出するだろう。
今度は、guaranteed Inventoryをどうしようか、というところにイノベーションが起こるのではないでしょうか。
嵐の予感がする。私は乱世がどうも好きな経営者だから、燃えてくる。ダイナミズムとプレッシャーが無い仕事なんて、燃えないよ。
そうだ、昨年のアドテックでASIのエライ人が「カオスマップに踊らされるな!」って言ってたことを思い出した。うん。カオスマップには踊らされるべきではない。だってM&A用のマップだしね。
でも、市場進化の方向性を読み解くにはとっても使えるんだと思う。インターネット広告市場は、ダイレクトレスポンスだから、ノンギャランティーだから、と言って市場が分割しているわけではない。
日本ではどうなるのか。色々思いついてしまった。
追記。
今回はnon-guaranteedサイドの進化を書いたけれども、guaranteedサイドからのイノベーションも起こる予感がしている。ファイナンシャルタイムズのこの記事。昨日付けで出ています。(全文見るには無料登録が必要)
WPP sets up digital media advertising unit
これを見ると、WPPがいよいよ動き出したなと。ますます、、、カオス!