ラストクリック評価は死ぬべき(とWPPの人が言ってる)
昨日とりあげたDigidayですが、今日もまたかっとばしております。
世界最大の広告代理店、WPPが昨日、オーディエンスバイイングプラットフォームの「Xaxis」をオープンしました。その担当の人がまた激しい。。。
『Why Last-Click Should Die』
So is last-click analysis in its death throes?I wish it was dead but it is definitely not dead.
とか。。。
でも結構やってることはすごくて、一般消費財の広告主の事例が出ているのですが、オンラインの売上向上効果だけではなく、オフライン店舗の売上向上にネット広告がどれくらい貢献しているか、というのを実践しているようだ。
We can work with our colleagues from Kantar, which is the biggest market research firm in the world, and they have extensive shopper data. We can actually link the two databases so that we can understand the effects of digital advertising on in-store sales.That’s very significant for brand advertisers.
Kanterというマーケット調査会社と組んで、ブランド広告主向けにネット広告が実店舗売上にどう効いているのかを調査している、と。Kanter社は日本法人があり、おそらくこのサービスが関連しているのかな。すごいなぁと思ったのは下線を引いた部分で、買った人とネット広告に接触した人のデータベースを連結しているのか。。。すごい。
検索とディスプレイのマルチチャネル・アトリビューションをどうする、という話題はありますが、チャネル(販売経路)の最適化、という意味ではリアル店舗持っている事業者にとってはリアル店舗もチャネルのひとつ。この部分へのアトリビューションも考えているんだなー。
そこまでできれば、まぁ彼が「ラストクリック評価」は死ぬべき、と言ってしまうのも無理は無い。ネット広告見たユーザーが、クリックやコンバージョンせず、後から思い出して実店舗でコンバージョンする、ということは、それはありそうだし。。
単なるオーディエンスバイイングプラットフォームなのではなくて、「データマネジメントプラットフォーム」付きなんですなぁ。
WPPの人なのである程度割り引いて考えなければいけませんが。何割引で考えるかはお任せします。
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ここからは私の意見。実店舗のデータと連結すべきかどうか、ラストクリック評価は死すべきか、ということについては、「そこまで言わんでも。。。」と思います。ラストクリック評価でもまだまだ改善できるし。実店舗データも、広告主によっては、必要で必要ではない広告主もいるでしょう。
ただ、もっと話を単純化したほうがいいと思うのです。ようは「投資に対するリターン」の話なのです。金融の話だと分かりやすいでしょうか。100万円ありました。さあどこに投資しましょう。株?外貨?投資信託?ポートフォリオを組んで、それぞれのリターンを比較して、、、ってやりますよね。ではリターンが正確にわからなかったら?どうやってどの金融商品買うのでしょうか。
マルチチャネルアトリビューションや、ビュースルー評価などが出てくるのは、ラストクリックだけだと、改善はできる。でも、「投資に対するリターンがはっきり見えない」という理由からです。ディスプレイ広告見たユーザーの何割かはクリックしないで検索で来たりします。CVRも高い。これは事実です。そのようなユーザーは、ディスプレイ広告の「リターン」ですよね。
「改善ができる/できない」と、「正確なリターンを測る/測らない」というのは全く違います。
まぁその、死ぬとか、そういうきっつい言葉は使わないでもいいんじゃないかなぁと思うけど、アメリカの人はズバズバ言いますね。
ディスプレイ広告の投資とリターンについては、また詳細書きますね。